はじめに
こんにちは。カケハシで開発ディレクターをしている笹尾です。
こちらの記事は『Musubi AI 在庫管理開発チームの品質向上ハンドブック』の PDF 版公開の記事となります。
(ダウンロードのリンクは記事の後半にあります)

今回公開するハンドブックはMusubi AI 在庫管理開発チームが日々のプロダクト開発・保守・運用の中で実際に利用・実践している取り組みをまとめたものです。一部にカケハシ特有の状況に基づいた記述もありますが具体的なプロダクト情報は最小限に留めて記載されています。
この中で私たちがどのように 「状態ゴール」 を意識し、アジャイルかつリーンに「フローを重視する」姿勢で取り組んできたか。特に「不確実性を優先的に排除する活動」を通じて、いかに「顧客利益と業務運用を中心に」価値を最大化してきたかなど、多くのチームにとって参考になる内容だと思います。
また、このハンドブックはFindy Team+ Award 2025の授賞式会場にて冊子として配布し、多くの反応をいただきました。すでにご覧いただいたourly株式会社様から以下のコメントもいただいています。ぜひ皆さんの現場でも役立てていただければ幸いです。
ourly株式会社様からのコメント
このたび、株式会社カケハシのエンジニアの皆さまがまとめられた資料を拝見し、たいへん刺激を受けました。
まず、膨大なドキュメントを基盤として開発が進み、さらに将来的にも更新が続く仕組みになっている点は、とても力強く感じました。運用が持続する工夫が丁寧に施されていることに感銘を受けました。
また、ルール設計において温度感を付け、更新頻度の高低を分けている点も印象的でした。必要なタイミングで必要な部分に手を入れられるようになっており、実践的で参考になります。
さらに、心理的安全性を個人の心構えに任せるのではなく、プロセスそのものに組み込んでいる設計は特に印象深く、安心して意見交換できる環境づくりの大切さを改めて学びました。
そして、開発プロセスごとに基準や責務が明確化されているため、振り返りや改善の際にどこを見直すかが分かりやすくなっている点も、日々の業務にすぐ活かせそうだと感じております。
今回の資料を通じて、前向きに開発を進めるための多くのヒントをいただけたことに、心から感謝いたします。
品質向上ハンドブックの記載方針
本ハンドブックは強制的なルールを押し付けるのではなく、一部にあえて抽象的な内容を含めています。これはメンバーが自律的に考え相談する中で意思決定の力を育むための仕掛けです。
この工夫によって、たとえば開発初期から後半まで一貫してドキュメント作成とレビューが段階的に行われるようになりました。また、テスト仕様書を作る前にテスト戦略を議論するフォーマットを共有するなど、品質向上に直結する取り組みがメンバーから自然と生まれるようになっています。
こうした背景や仕組みの必要性については、以下のスライドでも詳しく紹介しています。
ハンドブックを読み解くポイント
『Musubi AI 在庫管理開発チームの品質向上ハンドブック』は情報量が多い文書です。じっくり読み込むことで理解が深まり、定義の意図や背景を想像したり、知識や行動の幅を広げることができます。
一方で、ボリュームに圧倒されて読み始めにくいと感じる方もいるかもしれません。そこで今回は、人間にとっての読みやすさだけでなく、生成 AI の支援も受けやすいよう工夫しました。NotebookLM などを利用すれば、ハンドブックの内容を動画解説や音声概要で素早く理解したり、部分的に質問しながら理解を深めたりすることも可能です。
お願い
公開する PDF は、実際の開発現場での利用はもちろん、勉強会や社内研修などでも自由にご活用いただけます。
ただし、以下のような用途ではご遠慮ください。
- 参加費や授業料などの金銭を伴う、開発現場以外での営利目的の活動
- 出典を開示しない、もしくは出典を削除または改変しての利用
品質向上ハンドブックPDF版のダウンロード
『Musubi AI 在庫管理開発チームの品質向上ハンドブック』のPDF版は以下のリンクからダウンロードできます。
まとめ
今回公開した『Musubi AI 在庫管理開発チームの品質向上ハンドブック』は、2025 年 8 月時点の内容を反映しています。もちろんこれが完成形ではなく、私たち自身も日々の開発の中で改善を続け、内容を更新しながら運用しています。
ぜひ皆さんのチームでも参考にしていただき、それぞれの状況に合わせてより良い形に育て、意思決定の強化や品質向上に役立てていただければ嬉しいです。
また、『Musubi AI 在庫管理開発チームの品質向上ハンドブック』の内容に関するご感想や、皆さんのチームでの取り組み事例などがあれば、ぜひ SNS などでお知らせいただけると嬉しいです。