こんにちは、カケハシでAI在庫管理のバックエンドエンジニアをしているもっちです。
5/10、5/11に開催されたスクフェス新潟が開催されました。 はじめてスクフェスというものに参加したので、本エントリで参加レポートを書いてみたいと思います。 オンライン参加です。また、参加したのが主にDay2となるのでそこを中心にレポートしたいと思います。
参加するにあたって
今回、参加することに対しての自分のモチベーションは3つありました。 * カケハシから登壇しているメンバーの応援 * 自分やチームに何か持ち帰りたい * なにより元気をもらいたい
カケハシからは3人が登壇しました
カケハシからも3人が登壇しました。ここでその発表内容を宣伝させてください。
OKRと「測りすぎ」〜なりたい姿を、「測りすぎ」ないようにしながらどう追いかけるか〜
開発組織のOKRの作り方
実はたくさんほしいインシデント報告
各セッションの感想
どれも素敵なセッションばかりでした。簡単にではありますが、聴講した各セッションに対しての感想を書いていきます。
「凄腕エキスパートがいるのに宝の持ち腐れ!」高度なスキルや経験豊富なエキスパートに基本ばかりさせてしまう状況から脱却して、活躍の設計と検証を通して早期にパフォーマンスを発揮してもらうぞ
何らかのエキスパートとの仕事のやりとりをする上で依頼する側と依頼される側の期待値の合わせ方は、社内であっても他のエンジニアとのやりとりや、自分がエンジニアとしてエキスパートの立場で他のロールのメンバーとの会話でも気をつけたい内容でした。自分自身、他社に何かをお願いするときに漠然とお願いすることが多いなあと改めて思いました。
ONY(起きたこと/望んでいること/やってみること)-YOW(やったこと/起きたこと/分かったこと)と支援・伴走の類型で分類して、もっと期待していることや期待と異なることを焦点の合わせるという認識合わせの観点や手法は、今後どの場面でも使えそうな内容でした。
長くいるメンバーはお互いの経験が共有されてコンテキストが共有された状態になっているので活躍しやすいが、短期で入ってもらうエキスパートや新しく入ったメンバーが活躍できるようにするためには、改めて振る舞いもふくめて関わり方を設計する必要があると感じさせられました。
アクセシビリティを起点とした組織横断案件を完了するためにアジャイルチームにとって大切だった事100選
AI在庫管理のプロダクトの開発チームは内部のサブチームの数も多く、そのサブチーム間をまたがる活動も必要になってくる場面もあります。各サブチームは基本的にそれぞれ開発項目をもっているので、またがるような活動を進めるのがハードルが高くなっていると感じることもあり、発表の中であった「なんとなくそこにある"後回し感"」という言葉にはとても共感できるものでした。
発表テーマはアクセサビリティではありましたが、チームを横断する組織やその動き方のヒントを得ることができました。とくに「分からない」というのは怖いもので、それによって自分たち中心に考えてしまうというのはその通りだなと感じました。相手の分からないに対してお互いに寄り添い合う必要があると。
質疑応答の中で組織横断活動をやっていて一番つらかったことはという質問に対して、「僕たちがやっていることよりもどのくらい優先度が高いんですか?は辛かった」という回答にはとても共感できました。自分も言われるとすごく嫌だなって思うだろうというのもあるし、依頼される側としても自分のメインの仕事が忙しいときほど言いたくなるだろうなというのもわかります。こういった発言も自分たち中心に考えてしまうからこそ出る言葉だと思います。相手の立場や状況を考えられるようになりたいなと思いました。
実はたくさんほしいインシデント報告(重大インシデントを防ぐためにできる事)
我らがAI在庫管理のエンジニアリングマネージャーの笹尾さんの発表。 自分たちが普段行っている活動の内容が体系化されて、かつ整理された情報として聞けたのが一番良かったところでした。この日も他の発表中に「コミュニティで外のモノサシを持ち帰ると自分たちの現在地がわかりやすい」という旨のメッセージがありましたが、まさにそれを実感できたのだと思います。
発表の中で「インシデント対応は訳の分からないことに"みんなで"向き合う時間」「チームが同じ命綱で繋がって進む」というメッセージがありました。これは自分自身の実体験としてもめちゃくちゃ共感で、インシデント対応のときの難しい局面でありながらチームが生み出す一体感はものすごいパワーになるので、これを普段からも出せるチームが強いチームなんだろうと思いました。
あと、インシデント対応では、ついつい「すみません」とたくさん言っちゃうのは自分もそうなので、それだけにならないように気をつけないといけないなと思いました。
QA出身スリーアミーゴスでDeep Dive! スクラムで品質とスピードを意識したOne Teamを構成するために必要だったもの
価値の提供スピードと品質価値のバランスを開発チームの全員で意識するというのは言葉で言うと簡単に聞こえますが、いざやろうとするとそこには絶対に難しさがあるので、この発表を参考に自分たちのチームも強めていきたいなと感じました。スピードと品質というとどうしてもそれぞれの職能の専門性に任せたいシーンが出てくると思いますが、そこを徹底的に機能横断でそれぞれのロールを役割や専門性を越境して両立させたというのが本発表。
AI在庫管理のプロダクトチームも機能横断のチームを構成して動き出したものの、まだまだ成長できるというのがこの発表で気づくことができました。
ロールが違うことで視点はさまざま、意見の切り口もさまざまでいい。けど私たちがプロダクトをどう理解しているかのメンタルモデルが揃わないと議論にならない、というメッセージがありました。発表タイトルにもありましたが、依頼する・依頼されるというロールの関係ではなく協業が大事で、その協業の中でメンタルモデルを揃えていくというのが大切なんだと理解しました。
Products Eye/愛 を生み出そう
この発表では、主にエンジニアに向けてではありましたが、ここでもエンジニアリング領域以外にもプロダクトマネジメントにはたくさんの領域があり、その周辺にも目を向けることでプロダクト開発がスムーズになるというメッセージがありました。ここでも越境の話。
また、この発表の登壇者にとっての1つの商品がmiroですが、この発表のプレゼンテーションとしてもmiroを使用することがそのまま宣言になっていておもしろいなと思いました。それがドッグフーディングにもなっていて、発表の中で聴講者への「ドッグフーディングをしよう」というメッセージをそのまま自身で体現しているのがすごいと感じました。
固い組織文化の中で、2年間で組織的に学習/発信する文化を根付かせたアジャイルトランスフォーメーションの方法について
自分もカケハシに入社する前は、ルールやプロセスがしっかりしている一方で厳しかったり、外部への発信のハードルが高かったりしてるような固い組織に属していたため、組織文化を変えていく難しさはとても共感できました。
組織を変えていくための壁に対していくつかのアクションを紹介されていましたが、そんな中で自分が興味深く聞けたのはマインドセットのところでした。
「外に目を向ける」「許可を求めるな 謝罪せよ」「自分が楽しむ」この3つのマインドが説明されていました。組織を変えていくためには継続的に長く辛抱強く活動する必要が出てくるので、とくにこの「自分が楽しむ」のは一番大切だと思いました。具体的なアクションからも登壇者本人が大変なところがありながらも楽しく活動されている様子が伝わりました。
バーンアウトを知って燃え尽きることを防ごう
「チームや組織の変革には時間がかかり、辛抱強く取り組むことが大切」から、そんな中で精神を消耗してバーンアウト(燃え尽き症候群)してしまうこともある、という組織横断の活動や組織の変革など他の発表ともつながる話でした。
バーンアウトかどうかを測定する尺度があることや、なりやすい要因などがあることをはじめて知ることができました。おそらくこれを知っているだけでも精神への負担は減らせるだろうなと思います。分からないは怖い。
その要因の中の「役割ストレッサ」の具体例で「あなたカイゼン大臣です。」とふわっとした曖昧な役割を任命されて、後から「これカイゼン大臣の責任でしょ」というコンボは、結構身近にもありそうなあるある話だ!と思いました。
そのリファクタリングは最初から間違っている! - 品質を作り込む実践リファクタリング!!
「リファクタリング」という言葉が一人歩きしている世の中に議論を引き起こす発表でした。ロックだ。
デモを交えながら、とても基本に忠実なリファクタリング手順はとても良いなと思いました。つい大きく変更しちゃいがちになります。 また、ローカルの単体テストが常に動いている状態で変更をしつづけられるというのも改めて良いなと感じました。いまテストの時間が長くなっていて困っているのでなおさらだと思います。
リファクタリングをすることで良いテストコードが育つので、プロダクト開発の中に当たり前に入れていくというのはとても共感。プロダクト開発の中に入れられないとすると、ソースコードのテスタビリティが低下してしまい、後からのテスト追加の難易度も上がるしリファクタリング自体もしづらくなるとのメッセージ。
まとめ
今回聴講した発表からは、ロールの役割や責任感に超えることの大切さをたくさん感じました。さまざまな観点でのテーマの発表ではあったのですが、共通してそのメッセージがあるように思えました。
また、AI在庫管理のメンバーの発表に対して客観的な反応をもらえたのも新鮮でした。自分たちも日々変化しようとしています。でも内部の目線だけだと、それが良いのか悪いのかも分からなくなることもあります。こういった場で外部の目線を入れて検査してまた前に進む。その大切さと面白さをひしひしと感じました。
スクフェスははじめての参加で、こうやって学びも多かったのですが、それよりもなによりも熱量の高さを感じ、頑張ろうという気持ちをもらえました。 オンライン参加でも伝わってきた熱量。次は現地参加をしてもっと熱い体験をしてみたいと思いました。