KAKEHASHI Tech Blog

カケハシのEngineer Teamによるブログです。

他職種の人とコミュニケーションを取る時に気をつけていること

こちらの記事は カケハシ Part 2 Advent Calendar 2023 の12月23日の記事になります。

カケハシ Part 1 Advent Calendar 2023もありますので興味のある方はそちらもお読みください。

はじめに

こんにちは。10月の中日からカケハシでデータサイエンティストをしている川渕です。
入社してそろそろ2か月ほどになります。オンボーディングが大体終わり本格的な仕事が始まりつつあり、12月の頭くらいからMusubi AI在庫管理のアルゴリズムの一部を改善する仕事に取り組み始めました。

既存システムの一部を改善する仕事に取り組むので、関係者と上手くコミュニケーションを取って仕事を進めていければと考えています。そこで本記事では、自分がデータサイエンティストとしてさまざまな職種の人とコミュニケーションを取るうえで気を付けるべきだと思っていることについて書いてみたいと思います(自分への戒めも兼ねて)。

専門用語の使用は少なめにする

職種間での相互理解を妨げる要因として、相手に伝わらない専門用語を使うというものがあると思っています。
とくに自分が話を聞く側になった時に痛感することですが、知らない用語が出てくるとそちらに注意が向いてしまって話の本筋に集中するのが難しくなります。
コミュニケーションを取るうえで、自分が伝えたいことが何かを相手に理解してもらうことは重要なことなので、専門用語を使いすぎないよう気をつける必要があります。

とはいえ、専門用語をまったく使わないようにするというのも現実的ではないので、「その用語を使う必然性があるのか、ある場合にはどのようにしたら理解してもらいやすいのか」を考えて使っていくのがいいと思っています。
たとえばある薬品が翌月にどのくらい処方されるかどうか予測するモデルを作る場合、使用しているモデルの種類やハイパーパラメーターなどの話をビジネス寄りの人にする必要はないでしょう(とくに聞かれない限りは)。
一方で、モデルの予測を正確にするためにどのような特徴量を使うべきか、などの話はドメイン知識が重要で他職種の人とも掘り下げて話したいトピックなので、その場合は「特徴量」という言葉を説明した上で使っていくとその後のコミュニケーションがスムーズになります。

専門用語を使うべきかどうかの判断は難しいですが、自分の場合は使わないことでかえって話がややこしくなると感じた場合は事前に説明した上で専門用語を使うようにしています。
上の例で言えば、特徴量という言葉を使わなければ話の途中で特徴量を平易に言い換えた別の言葉を何度も使うことになり、かえってややこしく感じてしまうでしょう。

まずアウトプットを見せる

技術的な話をあれこれ展開する前に実際にできたものを見せると何をやりたいのか効果的に伝えることができると思います。
たとえば、どのような薬品が不足しそうか予測するモデルを作るという場合には、モデルにより作成された薬品のリストを見せればやりたいことは一目瞭然ですし、その予測結果が良さそうかどうかのフィードバックなども頂きやすくなります。

ドメイン知識については素直に教えてもらう

カケハシでもそうですが、データサイエンスの仕事をする時にドメイン知識は重要な要素になります。
たとえば薬局の業務プロセスを分析する仕事を行う際に、薬局の業務・薬の知識を何も知らない状態で取り組んでも的はずれな分析になってしまう可能性が高いでしょう。

ドメイン知識について自ら学習していくということももちろん重要なのですが、他職種の専門的な領域を十分に理解できるようになるのは並大抵のことではありません。
カケハシでお世話になる薬剤師の皆様の例を挙げると、「薬学部に最低6年間通い・国家試験に合格し・実務経験を積み・働きながら新しい知識についてキャッチアップをして」のように、かなりの時間と労力をかけて知識や技能を身に着けています(自分が知らないだけで他にも色々苦労されていると思います)。
したがって、現実的に考えるとドメイン知識について勉強はするものの、分からないことについては素直に教えてもらいながら仕事を進めていくべきということになると思います。

質問をする時に自分の理解を伝える

分からないことを教えてもらう時には、「◯◯が分からないので教えてください」みたいな聞き方をするよりかは「◯◯について××だと思っていますが正しいですか」のように、現在の自分の理解がどうなのかを相手に伝えるようにしています。
質問される側の気持ちとしても、分からないから教えてくださいと言われるとどう答えていいか少し考えてしまいますが、どのような理解なのかを伝えてもらえると「それが正しいか間違っているか」「間違っているとしたらどこに誤解がありそうか」などの話をすれば良いので、質問される側の負担を減らせると考えています。
また、そのような形で質問すると相手に質問する前に自分の頭を整理することができるので、単に教えてもらうよりも理解が深まりやすいというメリットもあります。

相手の話は真剣に聞く

仕事に関する内容で何か相談を受けた時に、データサイエンス的には筋が悪いような話だったとしても邪険にせずまずはできるだけしっかりと相手の意見を聞くように心がけています。
立場の異なる相手の意見を理解することで、自分には見えていなかった視点を得ることができるかもしれませんし、そうでなくても困った時に真剣に話を聞いてくれる人だと思ってもらえないと後々の関係性に影響が出てしまいます。
すごく当たり前のことのように思えますが、忙しかったり疲れていたりすると相手の話を真剣に聞けないことがあるので、そうならないように自己管理にも気を付けるようにしています。

おわりに

少ないですが、自分が他職種の人とコミュニケーションを取る時に気をつけるべきだと思っていることについて書いてみました。
一応自分の中から捻り出した内容ではあるので完全オリジナルなのですが、改めて読んでみるとどこかで見たことあるような内容ばかりだなと感じます。
意外性のある話ではありませんでしたが、特殊なことをするよりは当たり前のことを当たり前にやるのが大事なのかなとも思いました。
今回は間に合いませんでしたが、次回は仕事の成果や技術的な内容についても書いてみたいです。