KAKEHASHI Tech Blog

カケハシのEngineer Teamによるブログです。

Retrospective - 「Starfish」という振り返り手法

こんにちは。最近暑すぎて毎日息子とかき氷を食べまくっている(一週間でシロップ使い果たして妻にドン引きされてる)カケハシでスクラムマスターやっている窪内です。

みなさんRetrospective(振り返り)やってます?

私が所属するチームでは、頻繁に振り返りを行う文化があります。

  • スプリント終わり
  • プロジェクトローンチ後
  • 障害発生後
  • その他、必要に応じて都度実施

そもそも振り返りってなんのためにやるのでしょうか? 今回はスプリントの文脈で考えてみたいと思います。

  • 今スプリント設定したチームの目標(スプリントゴール)に対してどうだったか?
    • 達成したならば、なぜ達成できたのか?
    • 未達だったならば、なにが根本原因だったのか?
  • このスプリントの活動はどうだったか?良かったこと、良くなかったことはなんだったのか?その理由はなんなのか?
  • 改善するためにはどういったことをチームとして取り組んでいくべきだろうか?それはなぜか?

それらを振り返る上で、振り返りの手法というのはたくさんあります。 よく用いられるものとしてはKPTが挙げられます。

  • Keep: 良かったこと、成果があり継続すること
  • Problem: 解決すべき課題
  • TRY: 新たな取り組み

ただ、毎回KPTだと飽きてきますし、発散する観点もマンネリ化してきますよね。

そこで、今回は私が個人的に好んでいるStarfishという振り返りをご紹介したいと思います。

Starfish

どのような観点で発散するのか?

この振り返りは、「止める」「少なくする」「増やす」という観点で発散ができるのが特徴的です。普段そこまでフォーカスして考える観点ではないように思います。 全体だと、以下5つの観点で発散していきます。

  • Keep(続けるもの): チームがうまくやっており、その価値をあなたが認めていること
  • Less of(減らすもの): すでに行われている何か。ある程度の価値はあると思うが、むしろ少し削減したいと考えていること
  • Stop(やめるもの): 価値はないとおもっていること
  • Start(始めるもの): 新しいアイデア、または以前にうまくいったこと
  • More of(増やすもの): すでに行われているものをさらに実行すればより多くの価値がもたらされると信じていること

どういったシーンで使うのが良さそう?

個人の所感にはなりますが、以下のようなシーンで使うことが多いように感じます。

  • チームの改善TRYが多いと感じる時
  • プロセスに対し、形骸化してると感じる時
  • 振り返りの場(発散観点)がマンネリ化してきてsると感じる時

ちなみに今回Starfishを利用しようとした背景は、以前の振り返りで「スプリントで削れるものないか?」という付箋を見かけたのがきっかけです。止める、少なくする、増やすという観点での発散が今のチームには必要なのではないかと考えました。

どのぐらいの頻度で行うと良さそう?

なにかを止めるという判断をチームで合意するのって意外と普段の開発の中ではないアクティビティかと思います。 その観点で発散・共有できるこの手法は、個人的には毎回というよりは、定期的(2,3ヶ月に一度)に差し込んでいくのが、有効的な頻度かと感じます。

どう進めるの?

今回のアジェンダは以下のように設定してみました。

■Working Agreement
- 発散は各自もくもくと自分と向き合って行うこと
- 他者の意見に惑わされない。自分が思ったことを発散すること

■アジェンダ
- THX共有! 1min
- 発散 各3min×5セクション
  - Keep(続けるもの) 
  - Less of(減らすもの)
  - Stop(やめるもの)
  - Start(はじめるもの) 
  - More of(増やすもの) 
- 確認 5min
  - 各自が発散した内容を確認
  - 気になる付箋に印(⭐)を付ける
- 共有 残り時間
  - ⭐がついたものを優先的に確認・共有
    - TRYっぽいものがあればピックアップし、チームで合意する
  - それ以外も時間がある限り確認していく

Working Agreementとして、真摯に自分の感性に向き合うことを最初に伝えました。

私の所属するチームの文化でもあるのですが、振り返りの中で感謝を伝えるようにしています。最初にポジティブな内容を共有、伝達することにより、その場の雰囲気も明るくなり、より発言しやすい状態で本題に入っていけるので、個人的にはオススメです。

そこから発散に集中してもらい、各自思い思いに付箋を置いてもらいます。 発散後、各自の付箋をざっと眺めてもらい、聞いてみたいor共有したい付箋にマークし、チームで確認していきます。

ちなみに、このときの反省ポイントとしては、発散する際の主語が自分ごとなのかチームごとなのかを明確にすべきだったと思っています。

やってみてどうだった?

「止める」「少なくする」「増やす」といった観点での発散はやはり普段あまり考えない部分なので、良い内容だったかと思います。 ちなみにこのときの振り返りは以下の通り、各項目想像以上にみなさん発散していただき、次のTRYも創出することができたと思います。 振り返り後、メンバーにやってみてどうだったか聞いたところ以下のようなコメントをもらっています。

- 惰性でやっているものを改めて見つめ直し、発散できたのは良かった
- 増やすもの、減らすものそれぞれからTRYが出るのが面白い
- KPTだと「増やす」という観点でTRYを出す思考になってしまうので、「減らす」「止める」という観点で発散できるのは良かった

最後に

Starfishという振り返り手法、いかがでしたでしょうか? 今後も私が今まで利用してみた振り返りのフレームで良さそうなものがあればこのブログを通してみなさんにご紹介できたらと思っています。 今回ご紹介したStarfishでみなさんの開発推進に少しでも貢献できれば幸いです。

ではまた!