この記事は秋の技術特集 2024の 4 記事目です。
はじめに
AI 在庫管理のフロントエンドの開発を主に担当している鳥海です。 今回は先日 Slack からリリースされた Slack リストをチーム内の開発プロセスに組み込んだので、活用事例についてご紹介していこうと思います。
Slack リストとは
2024/6/6 に Slack リストの機能がプレスリリースされ、順次展開されている機能で、
- プロジェクトの管理
- リクエストの管理
- タスク管理
などのアイテムの管理が必要な業務を Slack 内で完結できるようなサービスとなっています。
機能のイメージとしては、上記添付のようになっており、今記事では基本的な機能についてはこの記事では記載しないので、プレスリリースを参照していただけると嬉しいです。
AI 在庫管理フロントエンド横串連携での活用方法
AI 在庫管理では 6 つのレーンで開発を進めており、そのうち 4 つのレーンでフロントエンド担当者が各レーンに配置されている体制で開発が進んでいます。 その中で、レーン毎のリリース情報の連携をスムーズに行うための手段として Slack リストを利用したので、どういうことを行なったのかを簡単に説明したいと思います。
機能開発までのフロー
現在 AI 在庫管理では、機能開発〜リリースまでをこのようなフローで実施しています。
- リリース前確認: 機能開発完了時の pdm, デザイナーの要求確認
- リリース前リグレッションテスト: リリース前の手動動作確認
graph LR 1.機能開発 --> 2.リリース前確認依頼; subgraph "今回お話するのは、ここの仕組み化について" 2.リリース前確認依頼 --> 3.機能リリース内容の確認; 3.機能リリース内容の確認 --> 4.リリース前リグレッションテスト; end 4.リリース前リグレッションテスト --> 5.リリース;
2. リリース前確認依頼
リリース前確認依頼を出す際に、Slack のフォーム機能で情報を入力し、その内容を特定の Slack チャンネルに投稿するワークフローを利用することで、 リリース前の要求確認を行なっていました。 そこで、Slack リストに登録するステップもワークフローに追加することで、一元管理できるようになりました。 それぞれどのようなことを行なっているのかを確認してみましょう。
依頼時
前述の通り、フォームの入力、Slack チャンネルへの投稿がステップとしてありますが、 赤枠部分のようにリリース管理リストへの追加とスレッドに対してステータス更新のお願いをするようにしました。 これによって、リリース前確認依頼を出した時に自動的に全レーン共通のリストでトラッキングされるようになります。
値変更時
Slack リストはアイテムの追加だけでなく、こちらのように変更を通知する仕組みを入れることもできます。 たとえば、リリース予定日を変更したら、#Xxx チャンネルに通知を入れるみたいなことができます。 下記が実際の実装例であり、このようにリリース予定日が決まったものや、リリース要否のステータスが変更されたもののトラッキングができるようになる機能です。 通知に関しても、各アイテムの中身がプレビューで表示されるので、どのようなアイテムがどのような変更がされたのかがわかりやすいですね。
ワークフロー
実際の通知結果
3. 機能リリース内容の確認
最後にリリース機能した機能について、担当レーンでグループ化し、リリース予定日が今週中でフィルタリングすることで、 各レーンの定期リリースでのリリース予定機能が整理された状態になります。 このように整理されたビューをあらかじめ設定しておくことで、管理コストをそこまで必要とせず、 フロントエンド全体の機能リリースを確認できます。
Slack リストの良いところ・限界
このように実際の業務でかなりの頻度で活用しているのですが、その中で見えてきたこの機能の良いところ・さらに良くできそうなところをまとめようと思います。
Slack リストの良いところ
1.管理を Slack リストに一元化することができる 前述の通り、複数レーンの情報をひとつのリストに集約できるので、 情報を参照したいときに集約しているリストで整理された情報を参照できるのは嬉しかったですね。 また、Google のスプレッドシートなど他ツールに連携することなく利用できるのは、 ツール間の移動をしなくて済むのでかなり便利だなと感じています。
2.ビューを保存できる 機能リリース内容の確認の確認で各レーンの情報を見やすい形で整理されていたと思います。 これはフィルタリング機能などの設定をビューとして保存することで実現できています。 このビューをうまく利用することによって、今週に予定されているものに絞ったものを確認したり、 グループ・ステータスごとにどのようなものがアイテムとして存在しているのかを誰がみても同じように確認できます。
3.ワークフローでも活用できる Slack のワークフローでもサポートされているため、今回の事例にもあったように、 既存のワークフローに追加する場合にもステップを追加するだけで、 Slack リストに連携し、自動で情報を集約していくことがやりやすくなったと思います。 また、変更通知のワークフローを紹介したような、Slack リストの内容をトリガーとしたワークフローの実行なども できるので、いろいろな使い道が考えられそうかなと感じています。
Slack リストの限界
Slack リストの機能の限界としては、以前テックブログ内で公開されたSlack 次世代プラットフォームで業務効率化に貢献する 💪で紹介された Slack CLI を利用したコードベースでのワークフローの定義方法があったと思います。 しかし、Slack API の Docを見る限り、コードベースでの自動化のサポートはされてなさそうです。 社内でも少なからず、コードベースで定義されているワークフローがあるので、早く使えるようになると嬉しいですね。
まとめ
Slack リストについて AI 在庫管理での活用事例をご紹介しつつ、この機能の良いところと限界についてまとめてみました。 社内ではこの他にも、個人タスクの管理や日報の管理などのさまざまなユースケースで利用されているので、 読者の皆様の組織でも色々と使い道のある機能ではないかなと感じています。ユースケースを思いつたら、ぜひ使ってみていただければと考えています。 ここまで読んでいただきありがとうございます。読者の皆様のご参考になれば嬉しく思います。